2012年02月14日
以前紹介した同作者の「秘密」ではファンタジーのようなありえない物語として書いた主題を「片思い」では現実的な問題として書き直したように私は思えてなりません。

性同一性障害というテーマを取り上げ、人間は外面では男性と女性の二通りの分けられてしまいますが、内面は男と女の境目などないことに気づかせてくれます。

そして、さらには、相手への想いも本来は、性別にとらわれることのないものだと、信じたくなる終わり方が清々しくさえ感じます。


片想い (文春文庫)

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2012年01月09日
ガリレオシリーズの2冊目の短編集です。前作「探偵ガリレオ」は科学的なトリックにこだわった作品が多かったのですが、この短編集では、東野圭吾らしい人間味が少し加わって後の作品「容疑者Xの献身」に見られる湯川先生の雰囲気が固まってきています。

しかし、ところどころで見せる、理屈っぽい受け答えが面白いです。湯川先生は論理的にズケズケ言うときもあれば、妙に遠慮をしているときもあり、あるいは全く的外れだったり、思わぬ言葉で相手に真相をしゃべらせます。

一言一言から「探偵」ガリレオの人物像が見えてきます。


予知夢 (文春文庫)

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2011年12月20日
仮想という箱庭には、大風呂敷を広げるにかぎる

タイトルで交換殺人が行われると思わせておきながら、はぐらかすのは、作者が得意のジョークと、これまで東川篤哉さんの作品を2作品読んだだけで分かってしまうのは少し悲しい面もあります。

作者自身の出身地という仮想の烏賊川市シリーズの4作目。住民キャラクターが個性満点にストーリーを駆け巡ります。
ミステリーとしては意外とライトな展開で謎を解きながら、登場人物の人間関係を広げてゆく内容で、最後の最後まで全貌が見えてきません。


交換殺人には向かない夜 (光文社文庫)

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2011年11月16日
犯人が犯人でないようにと願ってしまう。

この作品を読みはじめたのは、同作者の原作を元にした「謎解きはディナーのあとで」のドラマを見たのがきっかけでした。

どちらかと言うと、ドラマのコメディーさと妙なキャラクターはミステリーファンとしては、納得いかない点があったものの、この作品を読んで、ミステリーとしての伏線の張り方、展開の切り回し方は、なかなかのものと思いました。
しかも、これがデビュー作で長編となると作者の非凡さは、認めるしかないと思えます。
ページのところどころで、ミステリーの定石をひにくるような文章も交えながらも、しっかり定石を踏んでいるように感じてしかたがありません。



密室の鍵貸します (光文社文庫)

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2009年01月21日
今回は、ちょっと余談的に本を紹介いたします。

「ナイチンゲールの沈黙」です。この話には、歌う事で自分の思い描くイメージを正確に伝える事のできる二人の女性が出てきます。
小説ですから、なんでもありと言えばそこまでですが、こんな超能力のような力があったらいいなと思います。

素敵なイメージを伝えて、相手を癒す事もできますしね。絵画と音楽の融合ができちゃうじゃないですか。
作者は、映画やドラマ化された「チームバチスタの栄光」を書いた海堂尊さんで、この作品も、いわゆる推理小説です。
ちょっとネタバレですが、最後の部分では、このイメージを伝える力で、犯行現場を、再現するというとてつもない事が行われます。推理小説としては、あってはならない解決方法だとは思いますが、なかなか、この意外性がはまりますね(笑)。

今、同一作者の続編「螺鈿迷宮」「ジェネラルルージュの凱旋」と読み続けています。


ナイチンゲールの沈黙(上) (宝島社文庫 C か 1-3 「このミス」大賞シリーズ)


ナイチンゲールの沈黙(下) (宝島社文庫 C か 1-4 「このミス」大賞シリーズ)


チーム・バチスタの栄光(上) 「このミス」大賞シリーズ (宝島社文庫 599)


チーム・バチスタの栄光(上) 「このミス」大賞シリーズ (宝島社文庫 599)

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2008年12月20日
小説の良さは、書いてないことは謎のまま物語が進むこと。

この作品では、犯人の視点から物語を描いている部分がありません。すべては事件を調べている側からの視点と周囲の人々の視点から、何が起こったのかを、読者に想像させるように書かれています。

映画化やTVドラマ化がされて、どちらも話題になりましたが、絶対に文字で読むことをお勧めする作品です。
時に自分自身の想像した犯人の姿に驚きながら、時には刑事側の調査結果に安堵しながら読み進めることで、読む人の心の中で世界が広がります。


白夜行 (集英社文庫)

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2008年09月17日
遅ればせながら、「ハリーポッターと死の秘宝」を読み終えました。(笑)

思えばずいぶん長い期間をかけて続いたんだなと、感慨です。最終巻だけあって、ドビーやクモなど、これまでのキャラクターや道具が総出演という感じです。

ただ、5、6巻同様に前半(上巻)は、後半(下巻)での内容へ結びつけるための説明な部分が多くてちょっとだらけちゃうんですよね。今回も、これまで無かった「秘宝」なるものの説明と、ダンブルドアの過去にかかわる部分への導入を中心に謎めいて進行します。
『ダンブルドアが生きているのか?』と、思わせる部分もあります。
そして、後半(下巻)は、全巻をまとめるために、ダンブルドアとスネイプの過去の解明を中心に、ヴォルデモートとの戦いに決着がつきます。
なんだか、決戦はあっさり。『杖の秘密について説明が続いて、ヴォルデモートはこれまでの流れで既に勝てない状況になっている』のには、そうきたかと思いつつ、ど派手な格闘を期待していたので残念でした。

ネタばれは、これだけにして(これだけじゃ分かんないって?『』で囲んだ部分が重要です)皆さんも是非読んで下さい。
Web上では、ダンブルドアとスネイプの意外な過去を取り上げられがちですが、、、
全巻を通してハリーの成長物語であり、ハリーの成長によってすべてが解決する話であった事に気がつきます。ですから、時間をかけて読んで味わうべき物語です。


「ハリー・ポッターと死の秘宝」 (上下巻セット) (ハリー・ポッターシリーズ第七巻)

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2008年07月10日
2人で秘密を持つとつながりが深くなる。
それがいつの間にか、2人の束縛になって新たな秘密を生み出します。

「ミステリー=秘密」? この作品は秘密というタイトルのミステリー(推理小説)ではない作品です。

広末涼子さんの主演で映画化されて話題となった人気作品ですね!
広末さんの映画は、原作に比べると、最後の部分で娘の体になっている奥さんが、娘のふりをしていることが分かるシーンが早すぎるように思います。
原作では、もっと読後の味わいとして「秘密」の後を想像できました。


秘密 (文春文庫)

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2007年12月24日
勝ちが本当の”価値(かち)”なのか?
相手から勝ち取ったと思っていた物が、相手から与えられた物だったら。

東野さんの作品の中から、最もSF的に仕上がっている作品をピックアップしてと言われたら、私はこの作品を選びます。

自分の好きな人が、自分の彼女である「ストーリー」と、自分の好きな人が、友人の彼女という「パラレルワールドストーリー」が、作品の最後にひとつにつながり「ラブストーリー」に完成します。途中で二つの世界を交互に描きながら、少しずつ謎が解けたり、謎が深まったりするところは、さすが、ミステリー作家「東野圭吾」ですね。

作品冒頭と最後の、平行して走る電車から彼女が見える描写が心に残ります。



パラレルワールド・ラブストーリー (講談社文庫)

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2007年11月17日
知力も体力もましてや容姿にも恵まれた人なんていないんじゃなかな

ガリレオの湯原先生のモデルが佐野史郎さんだと知って、ちょっと残念に思ってしまいました。

ドラマから「ガリレオ」の世界に入ったので、すっかり湯原先生=福山雅治さんのイメージが出来上がっています。佐野史郎さんがテニスをしているシーンなんて想像できません。

この作品は、短編集です。ひとつの短編がほぼドラマの一話分になっているので、ドラマの方が内容を追加してある感じです。とにかくトリックにこだわった展開で、どんどん進んでゆきます。

内海刑事(柴咲コウさん)は、この「探偵ガリレオ」と続編の「予知夢」には出てこないので、ドラマのような恋愛テイストを期待しても無理です(笑)。



探偵ガリレオ (文春文庫)


ガリレオ DVD-BOX

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